Peach Lady

ミリーナとカーリャの過去捏造。落書き。女の子大好きな人が書いてることを理解できる方向け。

※ぬるい肌色注意※



 今、この状態を、どう説明したらいいのかわからない。 誤解なく言葉を選ぶことが難しい。とても。 

「ねえ、カーリャ。今どんな気持ちなの?」 

 そう言う彼女の呂律はうまく回っていなかった。聞き取れる声ではあるけれど、明らかに酔っていることがわかる。

 香水がきつく感じるのは、距離感のせいなのか。それともアルコール臭を隠すためになのか。カーリャには見当もつかない。 

 とろんとした目には、狼狽した自分が映し出されていて、その背景は真っ白なシーツで――彼女が身動きするたびに、ベッドが音を立てる。

 始めに肌の露出が目についた。ずり落ちてしまった彼女の肩紐を直してやりたい衝動に駆られる。出かけた時は薄手のショールを羽織っていたはずだ。どこかに脱ぎ捨ててきたのだろうか。鎖骨から肩までがむき出しで、暖色に染まる部屋の中では白い肌が妙に艶かしい。なんて心臓に悪い光景なんだろうと思いながら、動揺していることを知られたくなくて、慎重に声を作る。 

「どんな、とは」 

「わからないふりをしないで。それとも、言葉にしないと伝わらないのかしら」

 私の鏡精なのに、と彼女はカーリャの頬に手を滑らせた。どれだけ飲んできたのだろう。嗜む程度にしかアルコールを口にしない彼女がここまで酔ってしまうのは珍しかった。だからこうして対処に困っている。

 「見ての通りです。ミリーナ様にベッドに押し倒されて、困っています」

「そうね。どうして困っているの?」 

「どうしてって……」 

「私のことが嫌いなの?」

「そういうことではなくてですね、」 

「カーリャはずるいわ。私の気持ちは筒抜けなのに、私は――カーリャの気持ちがわからない」

 気持ちや思考が言葉にしないと伝わらないのは普通のことだ。だから誤解が生じるし、それが積み重なれば今のように戦争だって起きる。鏡精が特殊なだけで、普段の彼女ならそれくらいわかっているはずなのに。

 すうっと頬を撫でていた手が降りてきて、首元のリボンに触れたのがわかる。今朝は彼女に結んでもらった。その時の彼女は何も変わったところはなかったと思う。 

 彼女がリボンの端を引っ張る。リボンは簡単に解けて、ただのリボンに戻ってしまった。 

 隠されていた肌に感じるのは彼女の吐息。肌が粟立つのを感じる。 

「こんなことをしても、私の気持ちがわかるとは思えません」 

「試してみないとわからないわ」 

 何を、と言うべきか、なぜ、と問うべきか。言葉を紡ごうと口を開閉して――結局、閉じた。何を言っても今の彼女には届かないと思った。

 彼女の指が首をさまよっている。カーリャがいいと言えば、その指は下へと滑り落ちていく。そうしないのは、可否を委ねる理性は残っているからだろう。 

「それがミリーナ様の望みですか」 

 こんなことで彼女が満たされるならそれでいい。この身体は彼女によって作られている。もとを辿れば彼女自身と同じだから、何の問題もないと自分を納得させるのは思ったより簡単だった。 

「カーリャの気持ちが、知りたいの」

「――ミリーナ様の、お好きなように」

 ぎしり、と一際大きな音が響いた。 


なんていうかこう、すごいギリギリな話が書きたい気分だったんだと思います。

あとちょっと普段と違うような書き方で書きたかった。軽い文章というか、なんていうか…フランク?違う。うーん。落書き的な。

普段きっちり書いているつもりはそんなにないのですが、なんですかね。書いてるときの気分の話かもしれません。

私としては結構18に近いつもりで書いていたんですが、どうなんでしょう…18は書けないし、書いたことがないのでなんとも言えないです。

ただ、そういう話は「この後は想像にお任せします」が自分の中では丁度いいかなと思っています。はい。

何の話?


(プライベッターより)

Jewelry Box

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