嬉戯
ミリーナ(ゲフィオン)とカーリャ(ネヴァン)の過去捏造です。捏造大丈夫な方向け。女の子大好きな人が書いているのを理解できる方向け。
扉が開閉する音をカーリャは書類から目を離さずに聞いていた。この部屋にやってくる人物は一人しかいないし、気配でもわかる。彼女には申し訳ないが、カーリャは今、絶賛報告書の締切に追われている。
「おかえりなさい」
返答はなく、代わりに彼女がまっすぐこちらに向かってくるのを感じた。
「どうしたのですか」
隣に座り、もたれかかってきた彼女に問う。返ってきたのは大きなため息。彼女は倒れ込む勢いでもたれてきたので、手に持っていた報告書には皺ができていた。ペンを握っていなくてよかったと心底思った。今から書き直すのは流石に堪える。
「充電させて」
縋るような甘えた声。ふわりと香るいつもより濃い彼女の匂い。それから右半身に感じる身体の重み。非言語的なものから彼女の疲労が伝わってくる。
「大丈夫ですか」
「だめ」
カーリャは眉をひそめて、書類をテーブルに置いた。そんなになるまで働くなともう何度も言っているのに。当の本人は素直に返事をするくせに、行動が伴わない。
顔を見たいと思った。声と感情の揺らぎから何かを感じることはできても、それが全てではない。けれど、身体はすでに彼女に捕らえられていて、身動きができなくなっていた。 右腕に抱きつくように回された手がカーリャの手を捕まえる。じわじわと伝わってくる体温に混ざって、別の熱を感じた。その熱に覚えがあった。
「お疲れなら、横になった方がいいですよ」
「カーリャをぎゅってしていた方が元気になるの」
「ミリーナ様」
「――意地悪ね」
僅かに語気を強めると、ぱっと身体が離れていった。やっとのことで彼女の方へ身体を向ける。 口を開く前に、両腕が伸びてきて身体を引き寄せられた。軽い衝撃があって、それからすぐ耳元で、彼女の吐息が耳を撫でた。
*********
「先に休んでいるわね」
そう言った彼女はとても穏やかな顔をしていた。
あの後、彼女は何事もなかったかのように寝室へ入っていった。カーリャが後を追うためには、目の前の書類を片付ける必要がある。
ぼうっとした頭で、すっかり温くなった手を撫でる。 触れたところから、確かに彼女のアニマが流れ込んでくるのを感じた。鏡精はマスターからアニマを貰うことで実体を保つことができる。言わばエネルギーであり、生命力だ。
なにもあんなことをしてアニマを分けてくれなくてもいいのに。 あれがカーリャにアニマを与えるための行動だったと思うとたまらない気持ちになる。
「ずるい人」
寝室の扉に向けて呟くと、カーリャは再び文字に目を走らせた。
なんやかんやと理由をつけて、カーリャを抱きしめたいミリーナがいます(私の中に)
ミリーナも(カーリャを抱きしめることで)充電したかったし、カーリャだってミリーナに抱きしめられて満更でもない。寧ろ嬉しいけど…みたいなのがあったらいいなあという妄想。身体が大きくなると色々と複雑なので。
小さなミリーナと小さいカーリャはいちゃいちゃしてそうですね。あれ、してたんだっけ。1部とかは仲良し〜〜って感じだった記憶があります。もう4部だよ…だんだん記憶が薄れていくので、定期的にシナリオ読み直したい。願わくば、シナリオ集として紙にしてほしい!お金は出しますので何とぞ…
と長々書きましたが、単に仲良しな二人を書きたかっただけです。
そして何となく艶のある雰囲気になっていますが、偶然なので…お好きなように解釈して楽しんでくださると嬉しいです(いつもふわっとした話を書きがち)
うれしそうに遊び戯れることを「嬉戯」というらしいです。
使い方があってるのか怪しいですが、タイトル難民なりに頑張ってつけてます。笑
(Twitterより)
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